Monday, August 21, 2006

From Kamakura 2 Enoshima Island

日曜朝のチルアウトを終えた私は、晴れ渡った空を見上げながら鎌倉に行こうと思い立った。別に何か目的があったわけじゃないけど、とにかく鎌倉に行こうと思った。
仕事を辞めるとき、ブログを始めるとき、私は何をする時にせよ意味なんて考えない。何もしていない時は考えてばかりなのに、いざ行動する時はいつだって行き当たりばったりだ。

近所のコンビニに行く時のような身なりで家を出、適当に食事を済ませて電車に乗る。電車の中はいつもの通勤電車とは大違い、夏休み真っ只中、日曜昼前のゆったりとした時間が流れている。しばらくiPodで音楽を聴いていたが、ヘッドホンは外して車内の喧噪や外の蝉の音に身を任せてみる。
一時はだんだんと減っていった乗客も、目的の駅が近づくにつれ再び増えてくる。軽く気怠そうな父親とはしゃぐ子ども、向かいの家族はこれから水族館だろうか。次は缶ビール片手にひとりの中年男性が乗車してきた。これが日本の夏だ。

暫くすると、大雨洪水警報が向かう先の地域で発表されたことを車内アナウンスが伝える。空はこんなに晴れているのに。ざわつく車内。
驚くべきは大雨洪水警報ではなく、電車のアナウンスでこのような告知をしていることだ。なんだこの観光列車は、これから仕事の人が乗っていたらどうするつもりだろう。いや、仮にそんな人間が乗っていたとしても、この雰囲気じゃ仕事にならないに違いない。少なくとも私であればとりあえず海に行ってしまうだろう。

藤沢駅で下車、ここから江ノ電に乗り換えるのだ。
江ノ電藤沢駅のホームは冗談みたいに小さく、おもちゃのように可愛らしかった。そこにやってきた江ノ電の車両、これは江ノ電を好きになる人が多いのも頷ける。駅のホームよろしく小さくて可愛い車体、やはり時代はミニマムなのである、ずいぶん前からだが。それだけではない、その可愛らしい車体から感じられる歴史の重み、さらには何処となく哀愁さえも感じさせる。
車内もとても良い。ちっともスピードが出ないところ、ブレーキをかける度に必要以上に揺れる車体、やたらと風格のある手すりや吊り革、そしてシート。誤解を恐れずに書くのならばモエモエである。
そんな似非鉄ちゃんみたいなことを書いているうちに、鎌倉駅に到着だ。

強い既視感を感じた。ホーム、改札、そして駅前の時計台。

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暑さのせいだろうか、少し目眩がする。時計台の前に座って煙草を2本ほど吸った。暑さのせいだろうか、何故だか少し泣いてしまいそうだ。

気を取り直して、まずは裏路地を中心に駅周辺をふらついてみる。東京から少し離れただけなのに、漂う空気が明らかに東京のそれとは異なっている。ピリピリとしたものが一切感じられないのだ。かと言って観光地特有の緩くだらしない感じも無い。所謂歴史のある街だからなのかどうかはわからないけれど、私の鎌倉に対する思い入れがその一端を担っているのは間違いなさそうだ。
それにしても江ノ電の線路は美しい。

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続いて鎌倉の観光サイド、人でごった返す小町通りを歩く。可愛らしい和風の小物などを売る店が多く、とても楽しげだ。途中、h氏が薦めるカフェ"Arukamak Cafe"を横目に通り過ぎる。残念ながら今日お茶をする場所は、もう決まっているのだ。
小町通りを過ぎて見えてきたのは、鶴岡八幡宮という神社のようだ。折角なのでポーズだけでも参拝してみることにした。宗教のことは兎も角として、こういう場所に来ると日本の美しさみたいなものに触れることができて、非常に心が落ち着く。これからは神社、仏閣巡りが若者の間で来るに違いない。来ないと思うけど。どっちだよ。

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参拝を終え、またしても鎌倉の街を徘徊する。若宮大路と小町通りを結ぶ裏路地を行ったり来たり。インド人風のにこやかな男にインドレストランのチラシを貰う。ちょうどいい値段でとても美味そうだ、次はもう少し早めに来てここでランチを食べようか。

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さて、少し歩いたのでお茶でもどうだろうとやって来たのはミルクホール。鎌倉の老舗カフェだ。こんなところから入れるのだろうかという風情の、裏路地のそのまた路地から入ってみるとそこには、アシッドでないオールディーズのジャズが小さな音で流れ、アンティークな扇風機がうだるような暑気を払う素敵な空間が広がっていた。
店内には老若男女様々な世代のお客が居る。若い人も少なくないので少し騒がしいくらいの店内だが、それがまったく気にならなくとても心地よい。場の空気がしっかりしているので、多少のことでは揺らぐことが無いのだろうか。コーヒーもとても美味しく、あまりの居心地の良さについ長居してしまった。

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涼んだところで、海が見たくなってきた。道すがら巨大な狛犬などを愛でつつ鎌倉駅へと戻る。再び江ノ電に乗って太平洋へと向かうことに。
それにしてもこの改札口はたまらん。

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由比ケ浜駅で降りようかと思ったが、人が多そうだったので次の長谷駅で下車。少し歩くと潮の香りがしてきた、夏のにおいだ。遥か鎌倉方面には由比ケ浜、人もそれほど多くはなさそうだ。夏もそろそろ終わりということだろうか。
逆の方向に江の島はまだ見えない。少し江の島方面に海沿いを歩いてみることにした。消波ブロックやカモメを眺め、七里ケ浜を通り過ぎ、小さな神輿などに遭遇しつつ歩くこと1時間強、気がつくと江の島は目の前にまで迫っていた。ここらは先ほど通り過ぎた七里ケ浜にいるようなストイックなサーファーたちとは打って変わって、欲丸出しで虚勢を張った男たちや、メラニン過多の女たちが醸し出す殺伐とした空気に満ちていた。こういうのもベタな夏の海らしくて悪くない。

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途中で江ノ電に乗り直すつもりだったのに、結局江の島まで歩いてきてしまった。軽くグッタリしながらヨットハーバーの方へと向かうとねこが沢山。いつものようにねこと長時間戯れていたら、段々と空が暗くなってきた。海岸のみならず、江の島にはそこかしこに野良ねこが居た。野良ねこではなく、島で飼っているねこと言った方が正確なのだろうか。島の裏路地をふらついてみてそんな感慨が生まれた。

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ねこと遊びすぎた、空は夕暮れを通り過ぎて夜の様相を呈し始める。裏路地に入ったはいいけれど、どこに抜けるのか、そもそも抜けられるのか。そんなことよりも家に帰れるのか。手持ちの現金も心許なく、徐々に不安になってくる。住民の老人と挨拶を交わしたりしながら、足早に路地を抜ける。気がついたらもう真っ暗だ。江島神社へと続く参道の散策もそこそこに、江の島を後にした。

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しばらく歩くと家路へと向かう駅があって拍子抜けしたが、まあこれから電車も込みそうだしもう帰ることにしようか。腹が減っていたが、おいしい食事を食べられそうな店もないし。それにしても雨が降らなくて本当に良かった、とか思ってたら少し降ってきた。もう帰ろう。じゃ!

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