年末ですねぇ。先日前の職場に行ったら、元大ボスに「朝起きなくていいから元気そうだねー」と言われたHKTLVです。流石に良くわかってらっしゃる。
今日は、今年よく聴いたCDのことを少し書いてみようかと思います。2008年にリリースされた国内もの限定で。というか海外ものをそれほど聴けてないだけなんですが。
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"奇妙頂来相模富士" - Bron-K
2月にリリースされたSD Junkstaのクルー、Bron-Kのファーストアルバム。所謂ギャングスタ的な方法論で創られたアルバムだと思うけど、ウエストコーストのトレースじゃなくて、ちゃんと日本人のオリジナルとして完成されてる名盤。
もう日本人だからとか、日本語だからとかいう理由で理由では避けられない程、日本のヒップホップミュージックは本当に成熟したなぁと思わせる。低音のフロウが、Bach LogicやI-DeAのトラックがかっこいいとか色々あるけど、トータルで隙がない。
中盤の"何ひとつうしなわず"、"Romantik City"、"World Go Round"辺りの流れは余りに美しくて、ヒップホップを聴かないリスナーにもお薦めできる。iTunes Storeでも売ってるけど、ボーナストラックの入ったCD盤を是非。タワーやHMVとかの大手なら手に入るかと。
Sag Down Posse
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"ナイトケア" - Yasuri
4月にAhill Recordsからリリースされた、プレス盤としては初めての作品。かなり掴みどころがない変形ラップで、パッと聴いた感じファニーにも思える高音のフロウとは裏腹にヘヴィな内容で驚かされるアルバムだった。「誰々っぽい」ってのが一切ない、完全オリジナルの傑作。
学生の頃から好きだったDJ souchouが4曲トラックを手掛けてるってことで、手に取ったんだけど、彼の音はほんとに好きだわーということが再確認できたアルバムでもあった。ヒップホップのアルバムにありがちな客演だらけで誰のアルバムだかわからんみたいなこともなくて好感が持てる。
冒頭の"悲劇のヒロイン"から12曲目の"涙が出た"までピリピリした空気でまったく気を抜けないんだけど、最後13曲目の"終始"でホッとできるように救いが用意されてるのも気が効いてる。Disc Unionで買うのが一番手軽だけど、もし在庫切れなら恵比寿のWe Nodってレコード屋なら入手できる、通販もやってるので。
Ahill Records
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"ユシトアミア人間" - Makkenz
6月にリリースされた、ディストリビュータが付いたアルバムとしては3枚目にあたる作品。現時点で日本最高峰のリリシストのひとりだと思う。前作"白くなる時刻"にひき続きトラックもすべて彼が担当していて素晴らしいんだけど、それ以上にリリックが凄い。内容がないようであるような、独特のユーモアが散りばめられている詞で、それが無感情なフロウでラップされる様は正に唯一無二の世界観だ。
先のBron-Kのように、海外で生まれたヒップホップミュージックのスタイルを日本人なりに消化・吸収して日本人のものとして完成させているものとは対照的に、Makkenzは日本独自のヒップホップミュージックを創っている。下手するとそれはもうヒップホップですらなくなってしまう危険性を孕んでいるけど、ちゃんとヒップホップになっているのは、ビートと韻っていうヒップホップの基本的なルールにのっとっているからなんだろう。
比較的大きなディストリビュータが付いているので、大きなレコード屋なら買えると思う。ちなみに吉祥寺のバナナレコード、Harvest Headsのオンラインストア、Makkenzサイトの直販から買うとインストCDが特典として付いてた。ひょっとしたらまだ付いているかもしれないので、気になる方は問い合わせてみては。
makkenz.com
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"星間飛行" - ランカ・リー=中島愛
ヒップホップしか聴いてねえのかという感じなので、趣向を変えてアニソンを。6月にリリースされたこのシングルは兎に角表題曲の完成度がべらぼうに高い。そんじょそこらのJ-POPは裸足で逃げ出す程の出来なんじゃないだろうか。作詞に松本隆、作曲が菅野よう子という布陣を迎えて、ポップスってこうだよねって曲を本気で創ってる。
アニメは見てなかったのに、CDは買ったという作品。自分でなんちゃってリミックスした"星間飛行"は、楽曲単位では今年一番聴いた曲かも知れない。動画配信サイトとかで気軽に聴けると思うのでチェックしてみるといいよ。んで買うともっといいよ。キラッ☆
マクロスFRONTIER
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"Anime House 01"/"Anime House 02" - I'iwi
2008年の5枚と言いながら最後は2枚。2月と9月にリリースされたこのアルバムは、タイトルからもわかるようにアニメソングをハウスアレンジした楽曲が詰まった作品。内容だけ聞くとありがちでつまらない企画ものっぽいけど、なかなかどうして出来が非常に良くて、1枚のアルバムとしてちゃんと聴ける良盤だ。
中には捨て曲っぽいのがあったり、2枚目は安易なボッサアレンジが多くてちょっと残念だったりする部分もあるけどそれもまた愛嬌。1枚目の"にんげんっていいな"、"はじめてのチュウ"、2枚目の"The Galaxy Express 999"辺りはフロアでかかってもまったく違和感ない程のクオリティだと思うし、是非聴いてみてほしい。1、2年に1枚くらいでいいので、気長なシリーズとして続いてくれればいいな。
インディーズ流通で大きなレコード屋なら入手できると思うけど、アニメの棚にあったり、国内ハウスの棚だったり、普通の国内ポップスの棚にあったりとわかり辛いのでAmazon辺りで買うのが一番てっとり早い。こういう音源こそAmazon様々ですよね。モモチャーン
宮原永海BLOG: I'iwiのヴォーカリストのブログ
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そんな感じで、2008年の5枚でした。それでは皆様、よいお年を!
Sunday, December 28, 2008
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